36. plight (pláit)
前回の「predicament」(窮地、苦境)で類義語として「黒のフレーズ」で紹介されていたのがこの「plight」です。Weblioでは「(通例悪い)状態、苦境、窮状」などの意味が紹介されています。確かに「predicament」とほとんど同じ意味ですね。
まずVocabulary.comの説明を読んでみましょう:
Plight means predicament. It comes from the word for pleat, which means fold. A plight is a tough bind. You’ll usually hear the word plight for groups of people or animals struggling to survive, or struggling for better lives. We talk about the plight of refugees, or the plight of sea birds after an oil spill.
DeepL翻訳:Plightは苦境という意味です。折り目を意味するプリーツ(pleat)が語源です。窮状とは、厳しい束縛のことです。通常、生き残るために苦労している人や動物のグループや、より良い生活を求めて苦労している人に対して、plightという言葉を耳にすることが多いでしょう。難民の窮状や、原油流出事故後の海鳥の窮状について話すことがあります。
Vocabulary.com
まず最初に「Plight means predicament.」と書かれているので「predicament」と「plight」はかなり近い意味であることが分かります。
ただ、前回の「predicament」では「predicament」がDeepL翻訳で「窮状」と訳されませんでした。「苦境」がDeepL翻訳で選択されていました。
上記のVocabulary.comの説明では「plight」の訳に「窮状」が選択されているところに注目しましょう。
「苦境」と「窮状」の差が「predicament」と「plight」の差に当たるかもしれません。コトバンクで「苦境」と「窮状」の意味を探ります:
苦境(読み)くきょう
〘名〙 苦しい立場。苦しい境遇。逆境。
コトバンク
窮状(読み)きゅうじょう
〘名〙 (貧困などのために)困りはてている様子。苦しんでいる状態。
コトバンク
う~む、「苦境」と「窮状」はかなり近い意味であることが分かりますが、やはり差は語源にあるのかもしれません。
「predicament」は「a state of being」を意味するギリシャ語から派生した言葉であることを前回の記事で知りました。
一方、「plight」は折り目を意味するプリーツ(pleat)を語源としています。そして「A plight is a tough bind」、「窮状とは、厳しい束縛のことです。」ともVocabulary.comは教えてくれました。
従って、「plight」は「きつく折り曲げた」「pleat」(プリーツ)が複雑に絡み合っている状況のように考えることができます(はるブログさんの記事も参考にしました)。
それと、「plight」を色々検索して分かったのですが、「plight」を色々な言葉と絡めて検索しても、「predicament」を検索した時のように「dilemma」を選択してくるようなことをGoogleはしませんでした。
従って、「predicament」と「plight」の差は「predicament」が若干「dilemma」寄りの「苦しい状態」であり、「plight」はよりOn-going、現在進行形の苦しい状態を直で被っている、という感じかもしれません。これなら「苦境」と「窮状」の差とも似てくるように思います。
「predicament」と「plight」の差に関してはこの辺で止めて、「plight」の例文を見ていきましょう:
Ukrainians’ plight reminds ex-detainee of Soviet camp
DeepL翻訳:ウクライナ人の窮状は、ソビエトの元収容所を思い起こさせるMITO–A former Imperial Japanese Navy member held by the former Soviet Union is being reminded of his plight amid the Russian invasion of Ukraine and the 77th anniversary of the end of World War II.
DeepL翻訳:水戸–旧ソ連に拘束された旧日本海軍兵は、ロシアのウクライナ侵攻の最中、戦後77年の節目の年に、彼の窮状を思い出させる。
The Asahi Shimbun
タイトルの「plight」がDeepL翻訳では「苦境」と訳されていたので「窮状」に変えました。こちらの方が現在のウクライナ人たちが置かれた立場を形容しているように思えたので。
他にも見ていきましょう(「attain」は「成し遂げる、達成する、獲得する、到達する」という意味です):
Depleting Time Itself: The Plight of Today’s “Human” Environment
DeepL翻訳:時間そのものを枯渇させる。「人間」環境の危機It took five decades to attain shared knowledge across all nations about the environmental, plight of human life on Earth, and to frame agreed remedies under the SDGs and the Paris Agreement and Biodiversity Convention.
DeepL翻訳:地球環境と人類の窮状について、すべての国が知識を共有し、SDGsやパリ協定、生物多様性条約の下で合意された救済策を構築するのに50年を要しました。
IOS Press
TOEICのリーディング問題にそのまま出てきそうな文章ですね。
「attain」、「成し遂げる、達成する、獲得する、到達する」(Weblio)はWeblioの「TOEIC® L&Rに出る単語リスト」でも取り上げられているので別の記事で取り上げます。
「predicament」の類義語として「plight」が取り上げられていました。そして、黒のフレーズではさらに「adversity」が取り上げられていたので次の記事で「adversity」を取り上げます!