117. onset (TOEIC:難解英単語の意味、語源、使い方)

117. onset (ɑ́nsèt ɔ́nsèt)

「onset」の意味は「暗黒のフレーズ」で「始まり、開始、着手、発症」、Weblioではこれらの意味の他に「襲撃、攻撃、徴候」という意味が紹介されています。

「暗黒のフレーズ」の著者、藤枝さんは「prevent the onset of a cold」、「風の発症を防ぐ」、という例文を掲載してくれています。

私はこの単語を見て、「offset」と関係あるのかな?と思って意味を調べたら「offset」は「黒のフレーズ」で「~を補う、相殺する」という意味だったのでこの二単語は意味的に関係はなさそうです。「offset」は次の記事で取り上げます。

それでは「onset」を含む例文を見ていきましょう:

They found certain variations of SORL1 more often in people with late-onset Alzheimer’s disease than in healthy people.
DeepL翻訳:その結果、SORL1(*という名の遺伝子:著者注)のある種の変異が、健常者よりも遅性アルツハイマー病の患者さんでより多く見られることがわかりました。

The late-onset form, affecting people age 65 and up, represents about 90 percent of Alzheimer’s cases. The rarer early-onset form affects people from about age 30 to 65.
型は、65歳以上の人が発症し、アルツハイマー病の約90%を占める。一方、より稀な早期発症型は、30歳から65歳くらいまでの人に発症することが多い。

Reuters

「early-onset Alzheimer’s disease」は「若年発症アルツハイマー型認知症」とも言うようです。

この例文の場合、「onset」は明確に「発症」という意味で使用されていますね。

他にも見ていきましょう:

WHO Director for Europe Hans Kluge also predicted a rise in cases with the onset of winter, noting that they expect the total number of COVID-19 cases to reach 250 million across Europe as the weather gets cold.

DeepL翻訳:WHOのハンス・クルゲ欧州局長も、冬の到来とともに患者数が増加すると予測しており、寒くなるにつれてヨーロッパ全体でCOVID-19の総患者数が2億5000万人に達すると予想していることを指摘した。

aa.com

なるほど、「the onset of winter」で「冬の到来」ですね。「冬の始まり」でも良いのでしょう。

「onset」と「offset」は意味的なつながりが無い、と上述しましたが、たまたま「onset」と「offset」の両方を含む例文を見つけました:

The typical small business experienced a substantial loss of cash liquidity of 12.7 percent during onset of the COVID-19 pandemic due to a sharp drop in revenue, partially offset by subsequent drops in expenses.

DeepL翻訳:典型的な中小企業では、COVID-19パンデミックの流行開始時に、収益の急激な減少により12.7%という大幅な現金流動性の喪失を経験しましたが、その後の費用の減少で一部相殺されました。

JPMorgan Chase&CO

「onset」と「offset」が意味的に全然関係がないことがよくわかる例文です。「during onset of the COVID-19 pandemic」で「COVID-19パンデミックの流行開始時」ですね。

ところで、Weblioでは「onset」の意味として「襲撃、攻撃」も紹介しています。なぜでしょう。

語源にヒントがありました:

onset (n.)
1530s, “attack, assault, a rushing or setting upon,” from on + set (n.); compare verbal phrase to set (something) on (someone), c. 1300, originally “sic (a dog) on.” Weaker sense of “beginning, start” is recorded from 1560s. Figurative use in reference to a calamity, disease, etc. is from 1580s. Middle English had set (n.3) “attack, onslaught” (mid-14c.).

DeepL翻訳:1530年代、「攻撃、暴行、突進または設定」、on + set(名)から。 動詞句(誰か)に(何か)を設定することと比較、1300年頃、元々は「sic (a dog) on」。 1560年代から「始まる、開始」という弱い意味での使用が記録されている。 災害や病気などを指す比喩的な使用は 1580 年代から。 中英語では、set (名3) 攻撃(attack)、 猛攻撃(onslaught) (14 世紀半ば) があった。

Online Etymology Dictionary

なるほど、「襲撃、攻撃」を意味する「onset」の使用は今は弱火になっているようですね。そして、ネガティブな文脈で「onset」が使用されることが多いのもこの語源の説明を読んでみて納得できます。Vocabulary.comにもこんな「onset」の説明があります;

When something is at its onset, it’s at the beginning, just getting started, and it’s often something that’s not so pleasant. The onset of hurricane season is probably not the best time to visit the beach.

DeepL翻訳:何かが発生する時期というのは、始まりの時期であり、始まったばかりであり、そしてあまり楽しくないものであることが多いものです。ハリケーンの季節の始まりは、おそらくビーチに行くのに最適な時期ではないでしょう。

なにかが「onset」の時期は「it’s often something that’s not so pleasant」というのが重要ですね。

だからこそ、ネガティブな文脈で「onset」が使用されることが多いわけです。

ところで「set on」が「~を攻撃する、襲う」という意味であることも、この記事を書いてみて初めて知りました(Weblio)。

以上、「onset」でした。

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