38. ascribe (əskráib)
「ascribe」は「黒のフレーズ」で「~のおかげだとする、せいにする」、Weblioでは「(…に)帰する、(…の)せいにする」という意味です。
「黒のフレーズ」著者の藤枝さんは以下の説明を加えています:
ascribe A to B「AをBのおかげだとする」
黒のフレーズ
類語 attribute
attribute A to B「AをBのおかげだとする」
なるほど、「attribute」のような意味なんですね。
それでは、「ascribe」を含む例文を見ていきましょう:
Western intelligence agencies have ascribed all sorts of plans to Vladimir Putin, including besieging Kyiv.
Google翻訳:西側の諜報機関は、キエフの包囲を含め、あらゆる種類の計画をウラジーミル・プーチンに帰している。
BBC News
2022年2月のニュースなので侵攻前ですね。
「besiege」は「包囲する、攻囲する、(…に)押し寄せる」という意味です(Weblio)。「TOEIC® L&Rに出る単語リスト」にも含まれている単語なので別の記事で掘り下げました。
上記の例文には類語の「attribute」を使用することができないことも分かります。「attribute」はやはり、名詞形の「attribution」、「帰属、(人・物の)属性」の「属性」という意味に近いと私は思います。
日本語で「アトリビュート」を使用する場があるようです。IT関連の言葉でも:
アトリビュートとは、特性、特質、性質、~に要因を求める、~に帰する、などの意味を持つ英単語。ITの分野では対象の性質や設定などを示す付加情報などを指すことが多く、「属性」と訳される。
IT用語辞典
とあります。やはり「属性」なんですね。
もちろん、「ascribe」にも「属性」的な意味はあって混乱するので、ここで「ascribe」と「attribute」の差を見てみましょう:
As verbs the difference between ascribe and attribute is that ascribe is to attribute a cause or characteristic to someone or something while attribute is to ascribe (something) (to) a given cause, reason etc.
DeepL翻訳:動詞としてのascribeとattributeの違いは、ascribeが誰かや何かに原因や特性を帰属させるのに対し、attributeは与えられた原因や理由などに(何かを)帰属させることである。
WikiDiff
なるほど、上記のウクライナに関する例文には「ascribed all sorts of plans to Vladimir Putin」とありました。「誰か」に「原因」を「帰属」させているので「attribute」が使用できない理由がわかった気がします。
ただ、もう少し「ascribe」の例文を読まないと「ascribe」が沁みてきませんね。もう少し引用していきましょう:
To ascribe such powers to them exclusively is, however, not justifiable.
DeepL翻訳:しかし、そのような権限を独占的に与えることは正当化されない。Several inscriptions ascribe both these treatises to Boetius.
DeepL翻訳:いくつかの碑文には、この二つの論考をボエティウスのものとするものがある。When we do not at all understand the cause of an action, whether a crime, a good action, or even one that is simply nonmoral, we ascribe a greater amount of freedom to it.
Yourdictionary.com
DeepL翻訳:犯罪であれ、善行であれ、あるいは単に非道徳的な行為であっても、その原因をまったく理解していない場合、私たちはその行為に大きな自由を与えてしまうのです。
「ascribe」は「~に与える」であったり「~のものとする」という意味にもなることがわかります。
ここまで読んだらVocabulary.comによる「ascribe」の説明も腑に落ちます:
Ascribe‘s Latin root is ascribere, meaning basically “to write in.
Google翻訳:Ascribe のラテン語の語源は ascribere であり、基本的に「書き込むこと」を意味します。
Vocabulary.com
元々「書き込むこと」を意味するラテン語の「ascribere」から「ascribe」ができたんですね。
「ascribe」の中にある「scribe」にも注目したいところです。「scribe」は動詞で「針で線を刻みつける」という意味で、「ラテン語 scrībere 「書く」から」できた言葉のようです(Weblio)。
「scribe」を含む単語は「ascribe」の他にも「subscribe」(サブスクですね)、「describe」(描写する)、「prescribe」(処方する)などいろいろあります。
これらの言葉の背後にラテン語の「scrībere」(書く)がいるようです。
以上、「ascribe」でした。