今日の英単語:derogatory (dirɑ́gətɔ̀ri dirɔ́gətəri)
「derogatory」は「出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇」の参考書で「軽蔑的な」、Weblioで「(名声・人格などを)傷つけるような、軽蔑的な、傷つけて」という意味です。
Wikitionaryによると関連語は「derogate」で「(廃語, 他動詞) (法律の適用を)制限する[16-17世紀]、(自動詞) (評判・価値などを)損そこなう、落おとす、堕落する」、「derogation」で「(評判・価値などの)低下、(法律) 適用の制限」です。
この記事では形容詞の「derogatory」に注目します。それでは「derogatory」を含む例文を見ていきましょう:
TOKYO (Reuters) – The president of the Tokyo 2020 Olympics organising committee said she was shocked and surprised at its creative head’s derogatory comments about a female Japanese entertainer.
DeepL翻訳:東京(ロイター) – 2020年東京オリンピック組織委員会の会長は、同委員会のクリエイティブ・ディレクターが日本の女性芸能人について軽蔑的な発言をしたことにショックを受け、驚いていると述べた。
Reuters
2021年3月の記事です。どうも、渡辺直美さんに関連して侮辱的なことを言ってしまったようです。
結果どういうことになったでしょうか:
Tokyo Olympics creative head Hiroshi Sasaki, who handles the opening and closing ceremonies for the Games, said he had resigned over his derogatory comments.
DeepL翻訳:開会式と閉会式を担当する東京オリンピックのクリエイティブ・ヘッドである佐々木宏氏は、侮蔑的な発言を理由に辞任したと発表した。
Reuters
残念な結果になってしまいました。
他にも見ていきましょう:
Acknowledging derogatory term, Eskimo Pie owner says to change ice cream’s name
LONDON (Reuters) – The U.S. owner of Eskimo Pie ice cream will change the product’s brand name and marketing, it told Reuters on Friday, becoming the latest company to rethink racially charged brand imagery amid a broad debate on racial injustice.DeepL翻訳:エスキモー・パイ社、蔑称を認めブランド名変更へ
Reuters
ロンドン(ロイター) – 米国のエスキモー・パイ・アイスクリームのオーナーは、同アイスクリームのブランド名とマーケティングを変更すると、金曜日にロイターに語った。
この「エスキモー・パイ」は名前を改めて「エディーズ・パイ」になったそうです(Wikipedia)。
ところでこの「derogatory」、検索してみるとほとんどの場合「軽蔑的な」、「侮蔑的な」という意味で使用されるのが分かるのですが、動詞の「derogate」、名詞の「derogation」は違った意味合いで使用されることが多いようです:
A European court of human rights factsheet stresses that “the right to derogate can be invoked only in time of war or other public emergency threatening the life of the nation”.
DeepL翻訳:欧州人権裁判所のファクトシートは、「適用除外の権利を行使できるのは、戦争または国民の生命を脅かすその他の公的緊急事態のときに限られる」と強調している。Ministers claim that “derogation” – involving the partial and temporary withdrawal from the European human rights convention – is consistent with that manifesto pledge.
The Guardian
閣僚たちは、欧州人権条約からの部分的かつ一時的な脱退を含む「脱退」は、このマニフェスト公約に合致すると主張している。
Wikitionaryでは「derogate」の意味として「(廃語, 他動詞) (法律の適用を)制限する」と紹介していましたが、「廃語」ではないようです。まだまだ、「適用除外」や「脱退」のような意味合いで「derogate」や「derogation」が使用されているようです。
なぜでしょうか。「derogatory」の語源に理由を探してみましょう:
derogatory (adj.)
c. 1500, “detracting or tending to lessen authority, rights, or standing by taking something away from,” from Late Latin derogatorius, from Latin derogatus, past participle of derogare “to take away, detract from, diminish,” also “repeal partly, restrict, modify,”DeepL翻訳:c. 1500年頃、”権威、権利、地位を奪うことによって、その権威、権利、地位を減少させる、または減少させる傾向のある”、後期ラテン語 derogatorius から、ラテン語 derogatus の過去分詞 derogare “奪う、引き離す、減少させる” から、”部分的に廃止する、制限する、修正する” とも。
Online Etymology Dictionary
「derogate」や「derogation」の「適用除外」や「脱退」の由来が「ラテン語 derogatus の過去分詞 derogare “奪う、引き離す、減少させる”」にあるように思えます。
以上、「derogatory」でした。