16. ambivalence (æmbívələns)
「ambivalence」は「暗黒のフレーズ」で「ためらい、相反する感情」、Weblioでは「アンビバレンス、両価性、両面価値、(相反する)感情の交錯、あいまいさ」という意味です。英検1級レベルの単語でもあります。
Weblioにはそのまま「アンビバレンス」とあるので日本語の文脈でも「アンビバレンス」が使用されるのでしょうか。確認してみると見つけました:
「痩せたい。でも、食べたい」
「恋人が欲しい。でも、独りでいたい」このように、相反する2つの感情を同時に抱えて葛藤した経験を持つ人は多いでしょう。その原因の1つとして、相反する感情を同時に抱く「アンビバレンス」という心理状態があります。
マイナビウーマン
なるほど、まんま「アンビバレンス」を使用する場が日本にもあるんですね。。ためしに「アンビバレント」を検索したら欅坂46の歌にたどり着きました。
ネイティブスピーカーの文脈ではどのように使用されるでしょう。例文を見ていきます:
Pregnancy ambivalence, or unresolved or contradictory feelings about whether one wants to have a child at a particular moment, is one of the few psychosocial characteristics that have been identified as strong correlates of contraceptive practices.
DeepL翻訳:妊娠の両価性、つまりある瞬間に子どもを持ちたいかどうかという未解決の、あるいは矛盾した感情は、避妊の実践と強い相関があることが確認されている数少ない心理社会的特性の一つである。
Guttmacher
「pregnancy ambivalence」の組み合わせで検索するとかなりの件数がヒットします。
女性は子供を産んで専業主婦になることも仕事をすることもできるので、男性よりも「ambivalent」な気持ちになることが多そうです。まず、男は妊娠することさえできません。
調べてみると、「maternal ambivalence」という組み合わせで「ambivalence」が使用されることも多いようです:
I have studied the area of maternal ambivalence for more than 10 years – something I describe as a mother’s fleeting feelings of hate for a child which, in turn, actually strengthens her love.
DeepL翻訳:私は10年以上、「母性的両価性」という分野を研究しています。これは、母親が子どもに対して抱く一瞬の憎しみの感情が、逆に母親の愛情を強めるというものです。
Mamamia
「ambivalence」は心理学の文脈で使われることが多いようですが、Vocabulary.comの説明で納得いきました:
Originally a psychological term, ambivalence was borrowed from the German word Ambivalenz, coined in 1910 by the Swiss psychologist Eugen Bleuler. The German word was formed from the Latin prefix ambi- “in two ways” plus Latin valentia “vigor, strength.”
DeepL翻訳:アンビバレンスはもともと心理学用語で、1910年にスイスの心理学者オイゲン・ブロイラーの造語「Ambivalenz」から借用したものである。このドイツ語は、ラテン語の接頭辞ambi-“二つの意味で “とラテン語のvalentia “活力、強さ “から形成されたものである。
Vocabulary.com
「ambivalence」は1910年に作られた心理学用語から来ているのでかなり新しい言葉なんですね。
ちなみに、オイゲン・ブロイラーさんは心理学者カール・ユングの師匠でもあります。
上記の例文の「vigor」の形容詞形、「vigorous」は「黒のフレーズ」でも取り上げられているので次の記事で掘り下げます。