92. swerve (英検1級:難解英単語の意味、語源、使い方)

今日の英単語:swerve (swə́ːrv swə́ːv)

「swerve」は「出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇」の参考書で「急にそれる、曲がる」、Weblioで「(まっすぐな進路から急に)それる、はずれる、急に向きを変える、はずれたことをする」という意味です。名詞にもなります。名詞であれば「それ、はずれ、 曲がり、ゆがみ」という意味です。

心理学者ユングの「タイプ論」という著作は人を内向的と外向的に初めて分けた有名な本ですが、この本を英語で聴きながら英文を読んでいたらこの単語、「swerve」に出会いました(音声はLibriVoxで、原文はこちらで見れます):

Since, therefore, we all swerve rather more towards one side than the other, we are naturally disposed to understand everything in the sense of our own type.

DeepL翻訳:従って、私たちは皆、どちらかといえば、どちらか一方に偏るので、自然とすべてを自分のタイプの意味で理解しようとする。

Psychological Types by Carl Jung (Internet Archive)

人は外向型か内向型のどちらに偏る、ということを上記の例文の文脈でユングは語っています。外向型の人は外向型の価値観で物事を判断しがちで、内向型もまた同じことをしてしまうわけです。

この場合の「swerve」は「それる」というよりも「偏る」と訳した方が確かに自然です。

それでは他にも例文を見ていきましょう:

MOSCOW (Reuters) – The Russian defense ministry said on Tuesday a U.S. reconnaissance RC-135 plane had swerved dangerously in the proximity of a Russian Su-27 fighter jet over the Baltic Sea, RIA news agency reported.

DeepL翻訳:モスクワ(ロイター通信) – RIA通信が報じたところによると、ロシア国防省は24日、米軍のRC-135偵察機がバルト海上空でロシアのSu-27戦闘機に接近し、危険な旋回をしたと発表した。

Reuters

戦闘機が「急にそれる」、「swerve」する感じがよく伝わる良い例文です。まあ、出来事は危険ですが。

他にも見ていきましょう:

Stocks swerved up and down on Thursday before ending with a modest gain after China sent conflicting signals about how it would respond to President Trump’s threats of new tariffs and investors took some solace in upbeat economic and earnings data.

DeepL翻訳:木曜日の株価は、中国がトランプ大統領の新たな関税導入の脅しにどう対応するかについて相反するシグナルを発信し、投資家が明るい経済・業績データを慰めとしたことから、小幅な上昇で終わるまで上下に振れた

The New York Times

「solace」で「慰め」ですね。この言葉も英検1級レベルです。

「swerve」が株価にも使用されることがわかりました。株価が上に「swerve」するのは大歓迎ですが、下に「swerve」してほしくないですね。そして「swerve up and down」も迷惑です。

ここでVocabulary.comに「swerve」の語源を教えてもらいましょう:

The word swerve can be traced to the Old English sweorfan, “to turn aside,” which is precisely the modern sense. It was first used as a verb in the 13th century and as a noun in the 18th. Swerve refers to a sudden veering off, perhaps not as sharp as a turn, but more a bending of your path.

DeepL翻訳:swerveという単語は、古英語のsweorfan「脇にそれる」に由来する。13世紀には動詞として、18世紀には名詞として使われるようになった。Swerveは、突然の逸脱を意味し、ターンほど鋭くはないかもしれないが、進路を曲げることを意味する。

Vocabulary.com

「veering」もハイライトしました。「veer」は「出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇」でもこう説明されています:

veerは自動詞で「(急に)向きを変える、進行方向を変える」。ほかに「(考え、方針、政策などが)変わる、(話題が)脱線する」という意味もあり、「方向転換」という意味の名詞としても用いられる。類義語はswerve (急にそれる、逸脱する) 。

出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇(p.19)

「veer」はかなり「swerve」に似ていることがわかります。動詞にも名詞にもなるところまでそっくりです。

「swerve」と「veer」の違いはなんでしょう。HiNativeではこんな説明がされています:

Veer‘ is to change direction, but the movement isn’t controlled. Ex: “As she started to fall asleep, her bike veered off the path.”
Swerve‘ is a deliberate change in direction, and often describes a sudden movement. ex: “He swerved the car to avoid crashing into the postbox.”

DeepL翻訳:Veerは方向を変えることだが、その動きは制御されていない。例:「彼女が眠り始めたとき、彼女の自転車は道を逸れた」。
Swerveは意図的に方向を変えることで、しばしば突発的な動きを表す。例: 「彼は郵便ポストに衝突するのを避けるために車の方向を変えた。」

HiNative.com

なるほど、Vocabulary.comの説明、「Swerve refers to a sudden veering off」というのがよくわかります。「swerve」は「出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇」で「急にそれる、曲がる」、一方「veer」は「(急に)向きを変える、進行方向を変える」と「急に」が括弧の中に入っているところに差があるようです。

WordReference.comでもこんな説明がされています:

Generally speaking veer means to change direction, swerve means to change direction suddenly and sharply (to avoid a pedestrian, for example).

DeepL翻訳:一般的にveerは方向を変えること、swerveは(例えば歩行者を避けるために)突然、急激に方向を変えることを意味する。

WordReference.com

なるほど。

この記事の冒頭で心理学の本に出てきた「swerve」を引用しましたが、心理学的な文脈で「swerve」が使用されることが現在では稀なようです。1921年に書かれた本なので「swerve」の使用法としては若干古いのかもしれません。

以上、「swerve」(と「veer」)でした。

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