67. sublime (英検1級:難解英単語の意味、語源、使い方)

今日の英単語:sublime(səbláim)

出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇」の参考書では「荘厳な」という意味、Weblioでは、「荘厳な、崇高な、雄大な、荘厳美、崇高なもの、高尚な・・・」という意味の他に他動詞として「~を昇華させる、~を高尚にする、浄化する」という意味も掲載しています。

とりあえず、「sublime sentence examples」で検索してみます。Yourdictionary.comで以下の例文を見つけました:

The whole of Bhutan presents a succession of lofty and rugged mountains abounding in picturesque and sublime scenery.

DeepL翻訳:ブータン全土には、険しい山々が連なり、絵に描いたような荘厳な風景が広がっています。

Yourdictionary.com

「abounding」の「abound」は「たくさんある、富む」、「picturesque 」で「絵に描いたように美しい」ですね。「荘厳な」を意味する「sublime」を示す良い例文です。他動詞の「sublime」はどうでしょうか:

The children were amazed as they saw the dry ice sublime into a gas instead of melt.

DeepL翻訳:ドライアイスが溶けずに気体に昇華する様子に、子どもたちは驚きの声を上げていました。

Yourdictionary.com

なるほど、「sublime into a gas」で「気体に昇華する」なんですね。

「sublime into」で検索してみたら、「昇華する」を意味する「sublime」が多く見つかるかもしれない、と思って検索してみたら、哲学で取り上げられる、「sublime」(崇高)という概念をWikipediaで見つけました。冒頭の文章をWikipediaから引用します:

In aesthetics, the sublime (from the Latin sublīmis) is the quality of greatness, whether physical, moral, intellectual, metaphysical, aesthetic, spiritual, or artistic. The term especially refers to a greatness beyond all possibility of calculation, measurement, or imitation.

DeepL翻訳:美学において、崇高(ラテン語のsublīmisから)とは、物理的、道徳的、知的、形而上的、美的、精神的、あるいは芸術的な偉大さの質であるとされる。この言葉は特に、計算、測定、模倣のあらゆる可能性を超えた偉大さを指す。

Since its first application in the field of rhetoric and drama in ancient Greece it became an important concept not just in philosophical aesthetics but also in literary theory and art history.

DeepL翻訳:古代ギリシャの修辞学と演劇の分野で初めて適用されて以来、哲学的美学だけでなく、文学理論や美術史においても重要な概念となった。

Wikipedia

なるほど、このような概念があるのですね。ざっと日本語版のWikipediaを読んでいると、「美」とは異なる概念だったようです。日本語版にはスイスのアルプス山脈の写真を掲載し、その下に:

スイス・アルプスの巨大な山塊。17世紀・18世紀には多くのイギリス人がグランド・ツアーでアルプスを越え、荒々しい風景を目の当たりにした。山塊は、当時の自然の美の観念からはかけ離れた存在であり、むしろ恐ろしいものであった。しかし安全な場所から見ている限り、巨大な山や雲から感じる恐怖は、むしろそれに対する抵抗心を起こしたり精神を高揚させたりするものだった。これにより感じる「崇高」は、当初は「美」とは異なる観念だった

Wikipedia

富士山を見て「美しい」と言う人は多いと思いますが、厳密にいうと、「崇高だ」と言った方が哲学的には(いや、美学的には?)正しいのかもしれません。

「sublime beauty difference」で検索してみたらどうでしょうか。Quoraで「What is the difference between beautiful and sublime?」というズバリな質問を見つけました。以下が質問に対する答えです:

What is beautiful appeals to our senses; what is sublime appeals to our spirit. Sublime beauty is the opposite of earthly beauty; it is beauty that elevates us above tangible reality.

DeepL翻訳:美しいものは感覚に訴え、崇高なものは精神に訴える。崇高な美は、地上の美の対極にあるもので、目に見える現実よりも私たちを高めてくれる美である。

Quora

なるほど、一番最初に引用した例文にある、ブータンの「荘厳な風景」がより深く理解できるような気がします。また、Weblioで紹介されている、「~を高尚にする、浄化する」という意味も分かる気がします。

「昇華する」を意味する「sublime」も掘り下げておきます。ドライアイスや防虫剤のナフタレンも化学で言うところの「昇華」をします。名詞で「sublimation」です。この「sublimation」とは:

Sublimation is the transition of a substance directly from the solid to the gas state, without passing through the liquid state.

DeepL翻訳:昇華とは、物質が液体状態を経由せずに、固体状態から気体状態へ直接移行することである。

Wikipedia

心理学の文脈でも「昇華」という言葉が使用されます:

In psychology, sublimation is a mature type of defense mechanism, in which socially unacceptable impulses or idealizations are transformed into socially acceptable actions or behavior, possibly resulting in a long-term conversion of the initial impulse.

DeepL翻訳:心理学では、昇華は防衛メカニズムの成熟したタイプで、社会的に受け入れがたい衝動や理想化が社会的に受け入れられる行動や振る舞いに変換され、おそらく最初の衝動が長期的に変換されることになる。

Wikipedia

日本語版のWikipediaでは:

例えば、満たされない性的欲求や攻撃欲求を芸術やスポーツ、学問という形で表現することは、昇華と言える。

Wikipedia

とあります。こんなことを保健体育で学んだような気がします。「性的欲求や攻撃欲求」を、より「高尚な」「芸術やスポーツ、学問」に転じることを「昇華」と言うのですね。冒頭で紹介した「~を高尚にする」という意味も合点がいきます。

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