今日の英単語:disparity (dispǽrəti)
「出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇」の参考書では「格差、不均衡」という意味、Weblioでは、「(二者間の本質的な)不同、不等、(極端な)不釣り合い、不均衡」という意味です。
上記の参考書で取り上げられている単語のうち、すでに私が知っていた数少ない単語の一つが「disparity」です。「economic disparity」(経済格差)なんて言葉はよく耳にします。
Wikipediaの「economic inequality」という項目では13の文章で「disparity」が使用されているのでいくつか見ていきましょう:
A 2017 report by the IPS said that three individuals, Jeff Bezos, Bill Gates and Warren Buffett, own as much wealth as the bottom half of the population, or 160 million people, and that the growing disparity between the wealthy and the poor has created a “moral crisis”, noting that “we have not witnessed such extreme levels of concentrated wealth and power since the first gilded age a century ago.”
Wikipedia
DeepL翻訳:IPSの2017年のレポートによると、ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェットの3人が人口の下位半分、1億6000万人と同じだけの富を所有しており、富裕層と貧困層の格差の拡大が「道徳的危機」を生み出しているとし、「これほど極端に富と権力が集中した状況は1世紀前の金ピカ時代以来目撃していない」と指摘している。
「金ピカ時代」って何?と思って調べたら、Wikipediaに「金ぴか時代」という項目がありました!Wikipediaによると:
金ぴか時代(きんぴかじだい)、ないし、金メッキ時代(きんメッキじだい、英: Gilded Age, Gilded Era)は、1865年の南北戦争終結から1893年恐慌までの28年間、あるいは特に1870年代と1880年代をさし、アメリカ合衆国において資本主義が急速に発展をとげた時代である。いわゆる「西部開拓時代」とほぼ重複する。
Wikipedia
拝金主義に染まった成金趣味の時代として扱われることが多く、政治腐敗や資本家の台頭、経済格差の拡大を皮肉った文学者、マーク・トウェインらによる同名の共著小説に由来する。
なるほど、この時代くらい、「経済格差」(economic disparity)がひどくなっている、ということですね。まあ、この「金ぴか時代」には中間層が育っていなかった、という大きな差はありますが。
しかし、「ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェットの3人が人口の下位半分、1億6000万人と同じだけの富を所有」という状態はすごい「disparity」です。他にも:
Economist Thomas Piketty argues that widening economic disparity is an inevitable phenomenon of free market capitalism when the rate of return of capital (r) is greater than the rate of growth of the economy (g).
Wikipedia
DeepL翻訳:経済学者のトマ・ピケティは、資本収益率(r)が経済成長率(g)よりも大きい場合、経済格差の拡大は自由市場資本主義の必然的な現象であると主張している。
新たな「資本論」で有名なトマ・ピケティさんですね。「自由市場資本主義」を野放しにすれば「disparity」はさらに広がると言いたいのでしょう。
上記のWikipediaは「economic inequality」の項目でした。「経済的不平等」という意味ですが、英語の「inequality」と「disparity」の差はやはり「不平等」と「格差」なのでしょう。「growing disparity」(格差の拡大)ならよくわかりますが、「growing inequality」といった場合、「不平等という問題」が様々な場所で「拡大」している状況なのでしょう。
「disparity」をVocabulary.comに深掘りしてもらいましょう:
Disparity usually refers to a difference that is unfair: economic disparities exist among ethnic groups, there is a disparity between what men and women earn in the same job. This noun derives from Latin dispar “unequal.” The opposite of disparity is parity, the condition of being equal or the same.
Vocabulary.com
DeepL翻訳:格差は通常、不公平な差を指します。民族間に経済格差がある、同じ仕事でも男女の収入に格差がある、などです。この名詞はラテン語の dispar “unequal” に由来しています。格差の反対語は、同等または同じという条件であるパリティ(parity)です。
「parity」は「語彙問題完全制覇」の参考書でも取り上げられているので後ほど掘り下げます。
ニュースの文脈で「disparity」はどのように使用されるでしょう。「disparity news cnn」で検索してみます。
「US Black-White inequality in 4 charts」(DeepL翻訳:4つのチャートで見る米国の白人・黒人間の不平等)というタイトルの記事を見つけました。最近の話題なので「disparity」のイメージが湧きやすいと思います:
The financial standing of Black and White Americans is anything but equal.
CNN
When it comes to wealth and income, major disparities persist despite the years of economic prosperity that preceded the coronavirus pandemic.
DeepL翻訳:アメリカの黒人と白人の経済的地位は決して平等ではない。
富と収入に関しては、コロナウイルスの大流行の前に何年もの経済的繁栄があったにもかかわらず、大きな格差が続いている。
[…]
Black workers face significant wage gaps in the labor market, and these differentials have grown since 2000, according to the Economic Policy Institute.
The disparity is another reason why it’s more difficult for Black families to save and build wealth than it is for White households.
DeepL翻訳:経済政策研究所によると、黒人労働者は労働市場において著しい賃金格差に直面しており、この格差は2000年以降拡大している。
この格差も、黒人家庭が白人家庭よりも貯蓄や資産形成が難しい理由の一つである。
解放されたアフリカ系アメリカ人が家を提供してほしい、という要求をリンカーン大統領は承認したけれど、実行に移す前に暗殺された、という話をテレビで聞いたことがあります。せめて家を所有している状態から市民生活を始めていれば現在でも問題となっている「disparity」の問題はここまで大きくなっていなかったのでないでしょうか。
私はベーシックインカムという考えに強く賛同する者ですが、例文を読んでいくとベーシックインカムの必要性をさらに強く感じてしまいます。