今日の英単語:antagonistic(æntæ̀gənístik)
「出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇」の参考書では「敵意のある」という意味、Weblioでは、「反対の、敵対する、相反する、矛盾する、対立する、(…に)反対して、対立して、(…と)相容れなくて」という意味です。
最後の「ic」を抜いて「antagonist」になると、「protagonist」(主役、主人公)に敵対する、「敵対者」の意味になることを私は覚えておりました。
「How Trump’s bashing of The New York Times and CNN has benefited all」(DeepL翻訳:トランプによるニューヨーク・タイムズとCNNへのバッシングが、いかにすべての人に利益をもたらしたか。)というタイトルの記事の中に:
Although Donald Trump has an antagonistic relationship with The New York Times and CNN, the ‘Trump bump’ has been a business boon to these outlets, while the US president has been keen to use them to pursue publicity and legitimacy.
France 24
DeepL翻訳:ドナルド・トランプはニューヨーク・タイムズやCNNと敵対関係にあるが、「トランプ・バンプ」はこれらの出版社にとってビジネス上の利益となり、一方、米大統領はこれらの出版社を利用して宣伝効果や正当性を追求することに熱心であった。
「トランプ・バンプ」は「トランプという障害」みたいな意味になるのでしょうか。とにかく、トランプとマスコミが「敵対」していたのは記憶に新しいです。
Vocabulary.comの説明を見てみましょう。
If you’re antagonistic to your little brother, you’re always picking on him and giving him a hard time — causing him agony — a word that’s buried in antagonistic. Even drugs or chemicals can be antagonistic: if you take a sleeping pill and then follow it with a few cups of espresso, the interaction is likely to be antagonistic. The sleeping pill and the caffeine struggle against each other and you’re not likely to get much sleep.
Vocabulary.com
DeepL翻訳:もしあなたが弟に反感を抱いているとしたら、いつも弟をいじめて辛い思いをさせている、つまり弟に苦痛を与えていることになります。この言葉はantagonisticに埋もれてしまっていますね。薬物や化学物質でさえも拮抗することがあります。睡眠薬を飲んで、その後にエスプレッソを数杯飲むと、その相互作用は拮抗する可能性が高いのです。睡眠薬とカフェインが拮抗し、あまり眠れなくなる可能性があるのです。
なるほど、「antagonistic」の中には「agony」(苦痛)が潜んでいるのですね。「語彙問題完全制覇」の参考書では「agonize」が取り上げられているので後ほど掘り下げます。上記の説明を読んで、「敵対する」を意味するもう一つの単語、「hostile」との違いも分かった気がします。単に「敵対する」だけではなく、「拮抗する」意味が含まれるのですね。WikiDiffから「antagonistic」と「hostile」の違いを引用します。
As adjectives the difference between hostile and antagonistic is that hostile is belonging or appropriate to an enemy; showing the disposition of an enemy; showing ill will and malevolence, or a desire to thwart and injure; occupied by an enemy or enemies; inimical; unfriendly while antagonistic is contending or acting against; as, antagonistic forces.
WikiDiff
DeepL翻訳:hostile とantagonistic の形容詞の違いは、hostile は敵に属する、敵の性質を示す、悪意や悪意を示す、妨害や傷つけようとする、敵または敵に占領される、不都合、親しくない、一方antagonistic は拮抗する、対抗する、例えば拮抗力のある力、です。
もう少し、ニュース記事から例文を引っ張ってきます。
「CNN, a media famously antagonistic towards S’pore, produces super feel-good SG50 National Day news feature」(シンガポールに反感を持つメディアとして有名なCNNが、SG50ナショナルデーの超感動的なニュース特集を制作。)というタイトルの記事を見つけました。S’poreで「シンガポール」なんですね。CNNがシンガポールになぜ反感を持っているのか私はわかりません。記事の中にも「antagonistic」を含む文があります。
CNN, a media outlet that has been famously antagonistic towards Singapore, has put out a news piece oozing with so much feel-good vibes it makes one question if the Singapore government actually paid for it.
mothership
DeepL翻訳:シンガポールに対して反感を抱いていることで有名なメディアであるCNNが、シンガポール政府が本当にお金を出したのかと疑いたくなるほど、気持ちの良い雰囲気に溢れたニュース記事を発表したのである。
「antagonistic」にはVocabulary.comの説明にもあるように「睡眠薬とカフェインが拮抗する」ような「拮抗する」という意味での使用方法もあるので、化学の文脈でどのように使用されるのでしょうか。「antagonistic news chemical」で検索してみます。
Chemical Watchというサイトで、「Review suggests synergistic and antagonistic mixture effects are relatively rare」(DeepL翻訳:相乗効果や拮抗作用のある混合物の効果は比較的まれであることがレビューで示されている)というタイトルの記事を見つけました。冒頭の文章が以下です(真剣に読まないでください):
Synergistic and antagonistic mixture effects, which pose particular challenges for regulators, are relatively rare, according to preliminary results from a systematic review of the available scientific literature.
chamicalwatch.com
DeepL翻訳:規制当局にとって特に問題となる相乗効果や拮抗効果のある混合物は、入手可能な科学文献の系統的レビューによる予備的結果によれば、比較的まれなものです。
化学に疎いので、上記の文章が何を意味するのか私にはわかりません。しかし、自然科学の分野でもこの「antagonistic」は使用されそうだ、ということが上記の引用文で感じることができないでしょうか。
物理学の分野ではどうでしょう。「antagonistic news physics」で検索しました。
「Translational symmetry breaking is antagonistic to static fluidity」(DeepL翻訳:並進対称性の破れは静的な流動性と拮抗する)というタイトルの記事を見つけました。冒頭の文章を見てみましょう(真剣に読まないでください):
Translational symmetry breaking is antagonistic to static fluidity but can be realized in superconductors, which host a quantum-mechanical coherent fluid formed by electron pairs.
Language Log
DeepL翻訳:並進対称性の破れは、静的な流動性と相反するものですが、超伝導体では、電子対によって形成される量子力学的なコヒーレント流体をホストしているため、実現することができます。
何を意味するのか私にはさっぱりわかりませんが、「antagonistic」が使用される場は「hostile」よりもずっと広いことが分かります。