今日の英単語:gloss(glɔ́s glɑ́s)
「出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇」の参考書では「~のつやを出す」という意味、Weblioでは、「光沢、つや、虚飾、見せかけ」という名詞の意味が最上位に出てきます。
正直、私としてはこの「gloss」が「語彙問題完全制覇」の参考書に掲載されていることが意外でした。なぜなら、日本語で「グロス」が日常で使用されているからです。Domaniのウェブサイトによると、「メイクで言うグロスは、唇にツヤをプラスするためのアイテムで、リップや口紅を塗った後に重ねる使い方が一般的です」という説明からもわかる通り、「グロス」という言葉を口にする女性は多そうです。
とりあえず、Vocabulary.comの説明を見てみましょう。
A gloss is a shiny finish on an object. It’s also an explanation about a word or phrase. Right now, you’re reading a gloss on the word gloss.
Vocabulary.com
DeepL翻訳:グロスとは、物体に施された光沢のある仕上げのこと。また、ある単語やフレーズに関する説明でもあります。今、あなたが読んでいるのは、glossという単語についての説明です。
たしかにWeblioでも「注釈」、「注釈をつける」という意味の「gloss」があることがわかります。この「gloss」を集めたものが「glossary」、「用語集」ですね。更にVocabulary.comの説明を見てみましょう。
Gloss has a number of meanings, so it’s a good idea to read our gloss on this word. Gloss can refer to the shine or polish on a smooth surface. A gloss can also be a definition or explanation. A book may have glosses that explain what unusual or technical terms mean. Sometimes gloss has a negative sense: if you leave out important information when discussing something, you could be accused of glossing over those details.
Vocabulary.com
DeepL翻訳:Glossには様々な意味があるので、この単語に関するglossを読んでおくとよいでしょう。Glossは、滑らかな表面の光沢や艶を指すことができます。また、glossは、定義や説明である場合もあります。本には、珍しい用語や専門用語の意味を説明する用語集が掲載されていることがあります。何かを議論するときに重要な情報を省くと、その詳細について説明しなかったと非難されることがあります。
Weblioによると、「gloss over」は「(…の)うわべを飾る、(…を)もっともらしく言い紛らす、うまくこじつける」という意味です。「gloss」だけではニュースなどと絡めてもいい例文が見つかりませんし、「語彙問題完全制覇」の参考書でも「gloss over」が熟語の章で取り上げられているので、この際、この「gloss」の項目で「gloss over」を掘り下げてみようと思います。
「”gloss over” news cnn」で検索してみます。
「Trump, Macron gloss over differences in France after rough start」(DeepL翻訳:トランプ大統領とマクロン大統領は、フランスで荒れたスタートを切った後、その相違をごまかす。)というタイトルの記事をCNNで見つけました。「gloss over」が「ごまかす」と訳されています。本文中にも:
At the start of the meeting, the pair seemed to gloss over whatever differences they may have on European military cooperation, saying they were aligned on burden sharing.
CNN
DeepL翻訳:会談の冒頭で、2人は欧州の軍事協力に関する意見の相違を無視するかのように、負担の分担で一致したと述べた。
「gloss over」が「無視するかのように」と訳されていますが、上記のWeblioの説明にある通り、「意見の相違を」「もっともらしく言い紛ら」して「ごまかし」たのでしょう。
過去形にして「”glossed over” news cnn」」で検索したら「We speak about Asian Americans as a single block. Here’s how incredibly complex they are」(DeepL翻訳:私たちはアジア系アメリカ人をひとつのブロックとして語っています。彼らがいかに複雑な存在であるかは、以下のとおりです。)というタイトルの記事をCNNで見つけました。この記事の中に以下の文章を見つけました。
Asian Americans are often labeled as a singular group, but the fastest growing population in the US is far from a monolith — and their complex history and cultures are often glossed over.
CNN
DeepL翻訳:アジア系アメリカ人は、しばしば特異な集団としてレッテルを貼られますが、米国で最も急速に成長しているこの集団は、一枚岩とは程遠く、その複雑な歴史と文化はしばしば覆い隠されがちです。
「gloss over」が「覆い隠され」と訳されていますね。この記事ではアジア系アメリカ人を地域別、国別に分け、人口も見せてくれています。興味がある方はリンクから飛んでみてください。
コロナ関連のニュースでどのように「gloss over」が使用されるのでしょうか。「”glossed over” news covid」で検索して「Coronavirus: How Russia glosses over its Covid death toll」(DeepL翻訳:コロナウイルス。ロシアはCovidの死者数をどのように隠蔽しているか)というタイトルの記事をBBCで見つけました:
「gloss over」を含む段落が以下です:
The awkward numbers here are glossed over. The stories of the dead just don’t get told.
BBC
DeepL翻訳:ここでは厄介な数字がごまかされています。死者の物語が語られないだけです。
「gloss over」の例文を読んでいると、「conceal」や「cover up」とは違い、完全に「隠す」、というような意味ではなく、「gloss over」は不都合なことに「つやを出」して「ごまかす」という意味になる印象を受けました。
「~のつやを出す」の「gloss」だけではなく、「注釈をつける」を意味する「gloss」や「誤りを隠す」を意味する「gloss over」も覚えておいた方が語彙力強化につながりますね。
これからもどんどん英検1級レベルの単語(と熟語)の「gloss」(説明・解説)をこのブログで書いていきますので、よろしくお願いします。