今日の英単語:rub off on
「出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇」の参考書では「~に影響を与える」という意味、Weblioでは、「~が…の影響を受ける」という意味が掲載されています。Weblioで「rub off」は「こすり落とす、擦り落とす」、「rub」は「手などでこする、摩擦する」という意味です。「rub off on」と「on」をつけた途端に「~に影響を与える」という意味になるのですね。
「rub off on」をタイトルに含むニュースがいくつか見つかりました:
Companies’ green ways rub off on employees too
The Economic Times
DeepL翻訳:企業の環境配慮は従業員にも波及する
Renewable energy unit’s valuations may rub off on NTPC stock
Business Standard
DeepL翻訳:再生可能エネルギー部門のバリュエーションがNTPC(インドの電力会社)の株価に影響を与える可能性がある
‘Fake news’ stigma can rub off on advertisers: BBC research
Campaign
DeepL翻訳:フェイクニュース」の汚名は広告主に影響を与える可能性がある:BBCの調査
なるほど、「波及する」という意味にもなりますね。「”rubbed off on” news」と過去形にしてみたらどうでしょう。
‘Cristiano has rubbed off on everyone’ – Ex-Portugal star Fernandes on Ronaldo, Arteta and Benfica-Liverpool
Goal
DeepL翻訳:「クリスティアーノは皆に影響を与えた」元ポルトガルのスター、フェルナンデス氏がロナウド、アルテタ、ベンフィカ-リバプールについて語る。
How Chinese blackouts have rubbed off on Indian solar power
mint
DeepL翻訳:中国の停電がインドの太陽光発電に与えた影響
「rub off on」は人、株価、広告主、太陽光発電等、幅広く「影響を与える」のが分かりました。
心理学的な文脈でこの熟語がどのように使用されるのか知りたいので、「”rub off on” psychological」で検索してみます。
「4 Ways Your Friends Rub Off On You」(DeepL翻訳:友達があなたに影響を与える4つの方法)という記事をmenshealth.comで見つけました。記事の冒頭にこうあります:
You are your own man, right? Maybe not. New research shows that your friends’ traits may be rubbing off on you—and vice versa. Here’s how to catch the good stuff and avoid the bad.
menshealth.com
DeepL翻訳:あなたは自分自身の男でしょう?そうではないかもしれません。新しい研究によると、あなたの友人の特徴があなたに影響し、その逆もまた然りであることがわかりました。ここでは、良いものをキャッチし、悪いものを避ける方法を紹介します。
記事に興味がある方はリンクから飛んでみてください。
「Will that depression rub off on me? How beliefs about mental illness influence our interactions」(DeepL翻訳:そのうつ病は私にうつるのでしょうか?精神疾患に関する信念は、私たちの交流にどのような影響を及ぼすのでしょう)という論考をpsychonomic.orgで見つけました。記事の中にも:
So if others around you think that your depression might “rub off” on them through social interaction, they will likely avoid you.
psychonomic.org
DeepL翻訳:ですから、周囲の人が、あなたのうつ病が人付き合いによって「うつるかもしれない」と思えば、あなたを避けるようになる可能性が高いのです。
とありました。精神疾患に対する偏見を扱った論考のようなので、興味のある方はリンクから飛んで読んでみてください。上記の「うつるかもしれない」はDeepLでは「こじれるかもしれない」と訳したのでタイトルの訳に従って「うつるかもしれない」に変えました。
しかし、個人的に一番気になるのは「rub」の広がりです。「語彙問題完全制覇」の参考書では「rub in」で「(相手にとって不愉快なこと)を繰り返し言う」も覚えておこう、と書いてありました。「rub out」で「抹消する、殺す」の意味にもなることも今日初めて知りました。私はVocabulary.comの説明が好きなのですが、「rub off on」も「rub off」も意味しか掲載されていないので、「rub」だけ検索してみました。「rub」の広がりが垣間見えたような気がしたので長めですが引用します:
You can rub someone’s aching back or rub sunblock on your arms and legs. You can also watch chunks of melting ice on a lake’s surface rub against each other or complain that your new shoes rub your heels and give you blisters. Colloquially, you might rub off on your friends, or begin to influence them by your mere presence. If, however, you rub them the wrong way, you irritate or annoy them. The noun rub is not used nearly as often as the verb, but people do love to allude to Hamlet’s “aye, there’s the rub” line in the “to be or not to be” soliloquy, referring to the unforeseen dreams of death that haunt mankind.
Vocabulary.com
DeepL:痛む人の背中をさすったり、日焼け止めを腕や脚に塗ったりすることもできます。また、湖の氷の塊がこすれ合うのを見たり、新しい靴でかかとがこすれて水ぶくれができると文句を言ったりすることもできます。口語的にあなたは友人に「影響を与える」かもしれません、つまり自分の存在だけで相手に影響を与え始めることです。しかし、間違った方法で相手をこすると、相手を苛立たせたり、困らせたりすることになります。名詞のrubは動詞ほど頻繁には使われませんが、ハムレットの独白「to be or not to be」の中の「aye, there’s the rub」というセリフを連想させ、人間につきまとう予期せぬ死の夢について言及するのが好きな人は多いようです。
DeepL翻訳では「rub off on」を正確に訳してくれなかったので若干変更を加えています。「blister」(水ぶくれ)も「allude」(遠回しに言う)も語彙問題完全制覇の参考書で取り上げられているので後ほど掘り下げます。
上記のハムレットのセリフ、「aye, there’s the rub」は「To sleep, perchance to Dream; aye, there’s the rub,」の一部で、「To be, or not to be, that is the question:」から始まる独白の10行目に来るセリフです。
実村文さんという方が自身のnoteで「眠る、おそらくは夢を見る。そこだ、つまずくのは。」と訳されておりました。実村文さんは「To be, or not to be」は「生きるべきか死ぬべきか」ではないとし、あの独白を全て訳されているので興味がある方はリンクからどうぞ。
Vocabulary.comの「rub」の広がりを認識しつつ、「rub off on」で「~に影響を与える」と覚えたいところです。