今日の英熟語:tap into
「出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇」の参考書では「~を利用できるようにする」という意味、Weblioでは、「~との関係を持つ、~を利用する、(資源もしくは物)に着手する」などの意味が掲載されています。
まず、「tap」の意味をWeblioで検索すると、「(~を)軽くたたく、軽くぽんとたたく」が最上位に来ます。私もこの「tap」を考えていました。例えば総合格闘技の「タップ」は軽く相手や床を叩くことによって降参することです。「tap dance」も床を軽くたたき続けるダンスです。
しかし、「語彙問題完全制覇」の参考書によると「tap into」の「tap」は「蛇口、栓」という意味の名詞として紹介されています。「ここから派生して「(栓)をつけて~を利用できるようにする」という意味になり、「tap a keg of beer」で「(飲めるように)ビールのたるに栓をつける」、「tap a maple tree」で「(樹液をとるため)カエデの木に穴を開ける」なのだそうです。
Weblioでもスクロールしてずっと下がると、「(水道・パイプなどの)コック、蛇口 、(たるなどの)栓」という意味が見つかります。確かに、この意味を知れば「栓をつけて~を利用できる」という「tap into」がイメージしやすいです。ここから「~を利用できるようにする」という意味になっていったことが推測できます。
まず「”tap into” sentence examples」で例文を探してみます。Yourdictionary.comで以下の例文を見つけました。
It also allows members to tap into an extensive alumni network for career help and internship opportunities.
Yourdictionary.com
DeepL翻訳:また、同窓生との幅広いネットワークを活用し、キャリア支援やインターンシップの機会を得ることができます。
There will be enough renewable energy to support those who can tap into it.
DeepL翻訳:再生可能エネルギーは、それを利用できる人たちをサポートするのに十分な量があるのです。
You tap into John’s talents which is financially remunerative to you both.
DeepL翻訳:あなたはジョンの才能を利用することで、二人に金銭的な報酬を与えることができます
「remunerative」はWeblioによると「報酬のある」という意味です。「語彙問題完全制覇」の参考書には「remunerate」(報酬を与える)という動詞が掲載されているので、後ほどこの単語も深掘りします。
ニュースの文脈で「tap into」はどのように使用されるのでしょうか。「”tap into” news cnn」で検索します。「Helping students tap into scholarships」(DeepL翻訳:奨学金制度を利用する学生を支援)というタイトルの記事をCNNで見つけました。冒頭の一文が以下です:
CNN’s Don Lemon talks to Morehouse College senior Derrius Quarles and author of “Million Dollar Scholar” about helping students tap into scholarships.
CNN
DeepL翻訳:CNNのドン・レモンは、モアハウス大学4年生のデリアス・クォールズと「Million Dollar Scholar」の著者に、学生が奨学金を利用できるよう支援することについて話を聞きました。
上記の「renewable energy」(再生可能エネルギー)を含む例文が気に入ったので、「”tap into” energy news」で検索します。「Project in Rural Utah Aims to Tap Into Geothermal Energy」(DeepL翻訳:ユタ州の地方都市で地熱利用を目指すプロジェクトが始動)というタイトルの記事をU.S. Newsで見つけました。「地熱を利用する」で「to tap into geothermal energy」というのがわかりやすいです。記事には以下の文章もありました:
Researchers in a small town in southwest Utah are working on a major energy project, hoping to tap into a limitless supply of clean, reliable power.
U.S. News
DeepL翻訳:ユタ州南西部の小さな町では、クリーンで信頼性の高い電力を無限に利用できるようにと、大規模なエネルギープロジェクトが進められている。
「語彙問題完全制覇」の参考書の「tap a keg of beer」で「(飲めるように)ビールのたるに栓をつける」という意味になることが紹介されていましたが、そういえば、「生ビール」を「beer on tap」と呼んでいたことを思い出しました。「生ビール何あります?」と聞きたければ「What do you have on tap?」と聞きましょうとHapa英会話でも紹介されています。「beer on tap」の「tap」の意味を考えたことがありませんでしたが、やっと了解できました。
「beer tap」といった場合、Wikipediaによると:
A beer tap is a valve, specifically a tap, for controlling the release of beer. While other kinds of tap may be called faucet, valve or spigot, the use of tap for beer is almost universal. This may be because the word was originally coined for the wooden valve in traditional barrels.
Wikipedia
DeepL翻訳:ビールタップとは、ビールの放出を制御するためのバルブ、具体的にはタップのことです。他の種類のタップは、蛇口、バルブ、栓(spigot)などと呼ばれることもありますが、ビールにタップを使うのはほぼ普遍的です。これは、もともと伝統的な樽の中にある木製のバルブに対して作られた言葉だからかもしれません。
ビールを飲めるようにする「tap」の他にも、ネットワークや奨学金や地熱などを「利用する」ことに「tap into」が使用されているので、かなり幅広く使われるのがこの「tap into」のようです。