今日の英単語:fraught(frɔ́ːt)
「出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇」の参考書では「心配な、不安にさせる」という意味、Weblioでは「〔危険などを〕はらんで,伴って 〔with〕」という意味であるとしています。参考書とWeblioの間で意味の違いが大きいので英辞郎を見ると、「〔人が〕緊張感でいっぱいで、〔状況・雰囲気などが〕緊張をはらんだ、緊迫[切迫]した」とありました。これなら参考書の意味と近いです。
まずは例文を見てみましょう:
Romantic relationships with humans were fraught with difficulties.
yourdictionary.com
DeepL翻訳:人間との恋愛関係には困難がつきものだった。
Over the following years, the situation in the south grew increasingly fraught.
DeepL翻訳:その後、南部の状況はますます厳しくなっていった。
日本語の意味、「〔危険などを〕はらんで,伴って 〔with〕」だけを見ていると分かりにくいのですが、「fraught with difficulties」(困難がつきもの)の「つきもの」は良い例だと思います。通常、「~がつきもの」と言った場合、ネガティブなことが「つきもの」だからです。もう一つ「fraught with」の例文を引用します:
This ill-planned and hazardous enterprise was fraught with the elements of inevitable failure.
yourdictionary.com
DeepL翻訳:この無計画で危険な事業は、失敗必至の要素をはらんでいた。
「はらんでいた」もネガティブなことが付きまとう感じがします。Vocabulary.comの「fraught」の説明で納得がいきました。以下、長めですが引用します:
Fraught means filled with something — often something bad. Your Thanksgiving was fraught with awkward moments when your family saw your blue hair, and it only got worse when you told them you’d quit law school to join the circus.
Vocabulary.com
DeepL翻訳:fraughtは何かで満たされるという意味で、多くの場合、悪いものです。感謝祭で家族があなたの青い髪を見たとき気まずい雰囲気に包まれました。そしてあなたがサーカスに入るためにロースクールを辞めたと言ったときさらに悪くなりました。
Fraught is related to the word freight, and comes from the Middle English fraughten, meaning “to load with cargo.” Think of a cargo ship loaded up with freight for a journey — it’s full of supplies, just like Thanksgiving was filled with — or fraught with — awkward moments. Fraught can also describe a situation filled with distress. If relations between two countries are fraught, they are not getting along with each other.
DeepL翻訳:Fraughtはfreight(貨物)と関係があり、”貨物を積む”という意味の中英語(中世英語)fraughtenが語源です。旅に出るために貨物を積んだ貨物船を思い浮かべてください。それは物資でいっぱいで、ちょうど感謝祭が気まずい瞬間に満ちていた、あるいはfraught withだったように。fraughtは苦悩に満ちた状況を表すこともできます。2国間の関係がfraughtであれば、お互いにうまくいっていないことになります。
「fraught」は「freight」、「貨物」と関係があり、「貨物を積む」という意味の「fraughten」が語源、ということは「fraught」を覚えるうえで重要であると私は思います。
他の例文も見ていきましょう。
2021年10月31日のJapan Timesで「Japan enters a new stage of the pandemic fraught with fresh challenges」(DeepL翻訳:新たな課題を抱えるパンデミックの新たなステージに入った日本)というタイトルの記事を見つけました。ネガティブな事柄―ここでは「fresh challenges」―を「抱える」状態を「fraught with fresh challenges」としています:
Japan has begun a new chapter of the pandemic — albeit one fraught with fresh challenges — after national coronavirus countermeasures were lifted completely for the first time in nearly half a year.
The Japan Times
DeepL翻訳:日本では、コロナウイルス対策が約半年ぶりに全面解除され、パンデミックの新しい章が始まった(新たな課題を伴うものではあるが)。
ここでは「fraught with」が「伴う」と訳されています。「albeit」は「although」や「even though」と同じ意味ですね。接続詞です。Weblioでは「たとえ…でも、…にもかかわらず」という意味で掲載されています。この「albeit」という言葉は何となく知っていたのですが、発音が「ɔːlbíːit」であることを初めて知りました。今まで「albei」の部分を「アルバイ」と頭の中で読んでいたのですが、「オールビー」なんですね。
Aljazeeraの二ユースサイトで「China blames US for fraught relations as talks begin」(DeepL翻訳:中国、関係悪化の原因を米国に擦り付け協議開始)というタイトルの記事を見つけました:
“The good news is the two sides are sitting down to talk. But the fractious relationship cannot be denied. Ties are fraught, they are in a free fall,” said Al Jazeera’s Adrian Brown, reporting from Hong Kong.
Aljazeera
DeepL翻訳:”良いニュースは、両者が話し合いの場に座っていることだ。しかし、対立する関係は否定できない。両者の関係は険悪で、自由落下状態にある。」とアルジャジーラのエイドリアン・ブラウンは香港からリポートした。
「fractious relationship」で「対立する関係」なんですね。「fraught relationship」としてもほぼ同じ意味になると思います。
上述のVocabulary.comで「2国間の関係がfraughtであれば、お互いにうまくいっていないことになります。」とありました。中国とアメリカの関係が「fraught」であることはほとんどの人がわかっていることですね。
以上、「fraught」の意味は「with」と一緒にして「ネガティブなことが伴う」、「嫌な雰囲気に包まれる」や、「fraught」だけで「険悪」や「敵対」などの意味になることが分かりました。中々、広がりのある意味を持っているのは、やはり「貨物を積む」という語源に理由があるように思います。