2024年2月追記:この記事は自分がクラッシェンの説と出会う前に書いています。以下の方法で単語を一つ一つ掘り下げるのは現在では辞めております。
私は拓と申します。カナダの大学を卒業しました。TOEICは10年以上前に960点取りました。会社でも英語は使用します。報告書の英訳、和訳も沢山やりました。2022年現在で15年間、自分が勤めている会社でかなり英語力は上がったのですが、「仕事で使用される英語」以上のことを覚えるのを止めて長い時間が過ぎていました。理由は英語以外の仕事で忙しかったからなのですが、最近、心の余裕が生まれてきたのか、英語をもっと学びたい、と思うようになりました。2022年現在、47歳です。
この向学心が生じるきっかけはYoutubeによるところが大きいと私は考えます。AtsueigoのAtsuさんの英語への情熱、Hapa英会話のHapaさんの「英語に関して漠然と抱いている疑問」に答えてくれる親切さ、に触れているうちに向学心が自分の中で芽生えてきたのだと思います。
そして、この「納得して覚える英語」を始めようと思ったきっかけは、Youtubeでマイケル・サンデルさんの「Justice: What is the Right Thing to Do」でサンデルさんの授業を拝聴しながら分からない単語をメモに書いて意味も併記していたときに気づいたことでした(授業はChromeの拡張子、Language Reactorを使って日本語・英語の字幕の両方を出して聴いていました)。
私が気づいたのは、「生きた英語環境」―サンデルさんの場合はハーバード大学の倫理の授業―で使用されている英語は記憶に定着しやすい、ということでした。何と比較して記憶に定着しやすいかというと、単語帳に記載された単語と意味、そして例文一文だけを読むよりも、「生きた英語環境」の文脈でわからない単語を拾っていった方が覚えやすいということです。当たり前といえば当たり前なのですが。
ならば、意味、例文一文だけ記載されている英単語が「生きた英語環境」、例えば英語圏で出版されている学術ジャーナルやニュースの文脈でどのように使用されているかまで調べれば、その単語が記憶に定着しやすいのではないのか、と私は考えました。
一例を挙げます。
上で触れたYoutuberのAtsuさんがTOEIC満点を94回(!)取ったMorite2(もりてつ)さんとコラボした動画で、「最近よくTOEICに出る単語」の一つとして「admonish」を紹介していました。
Weblioによると、「admonish」は「さとす、注意する、忠告する、警告する、気づかせる」という意味です。例文もいくつか掲載されています。一文だけ引用します:
His employer admonished him. (雇用主は彼に忠告を与えた.)
Weblio
これだけを見ても「admonish」の意味が入ってきません。「warned him」で十分ではないか、と思ってしまいます。この「admonish」が「生きた英語環境」でどのように使用されているのかを知らなければ、「admonish」の顔が見えてきません。ではどのようにして「admonish」が「生きた英語環境」で使用されているのでしょうか。これを調べるためにはGoogleが不可欠です。
学術ジャーナルやニュースの文脈でどのように「admonish」が使用されているのかを知るには「admonish news」や、「admonish journal」のようにnews、journalといった言葉と一緒に検索します。
試しに「admonish news cnn」というふうに「cnn」を足して検索してみると、CNNのウェブサイトで以下の記事を見つけました。
タイトル「Roberts admonishes legal teams after feisty exchange: “Those addressing the Senate should remember where they are”」(DeepL翻訳:ロバーツ最高裁長官、激しいやりとりの末に弁護団を戒める。”上院で演説する者は 自分がどこにいるのか忘れてはならない”)
DeepLでは「admonished」が「戒める」に訳されています。
記事の第一段落を下記に引用します:
Chief Justice John Roberts admonished the House impeachment managers and President Donald Trump’s legal team after a feisty exchange in the early morning hours.
DeepL翻訳:ジョン・ロバーツ最高裁長官は、早朝に激しいやりとりがあった下院の弾劾担当者とドナルド・トランプ大統領の弁護団を諌めた。
CNN
さらにロバーツ最高裁長官は続けます:
“I think it is appropriate for me to admonish both the House managers and the President’s counsel in equal terms to remember that they are addressing the world’s greatest deliberative body,” Roberts said.
DeepL翻訳:ロバーツ氏は、「私は、下院の管理職と大統領の顧問弁護士の両者に対し、世界最大の審議機関に臨んでいることを忘れないよう、同じ言葉で諭すのが適切だと考えている」と述べた。
CNN
Googleの次に大切なのがDeepL翻訳です。このDeepLのこなれた表現で内容をより良く理解できます。上記の通り、DeepLでは「戒める」、「諫めた」、「諭す」と訳されています。この弾劾裁判のニュースを引用して何が言いたいのかと言うと、こうすることによって「admonish」がCNN Newsという「生きた英語環境」でどのように使用されているかがわかるということと、CNNという「生きた英語環境で使用されていること」を知ることによって、「admonish」が記憶に定着しやすくなる、ということです。
「admonish」だけを聴いても、覚えようという努力がなければ、なかなか覚えられません。普段の自分が「admonish」という単語を使用する場面も浮かびません。しかし、CNNのようなメジャーなニュースソースでこの単語が使われていれば、「知っておくべき単語」の一つにすることが出来ると私は思うのです。
この単語が現在の英語環境で使用されていることをこのブログで紹介することによって、私が一番この単語を記憶することになるのですが、このブログを読まれた方も私の経験をシェアすることによって、普段単語帳を見ている時よりも単語を覚えやすいのではないか、と思い、このブログを開始しました。ブログの各記事では上記の「admonish」の例よりも一語一語もっと突っ込んで調べます。
このブログでは最初に英検1級レベルの英単語を取り上げていきます。なぜかというと、ジャパンタイムズが出版している「出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇[改訂版] (英検最短合格シリーズ)」という参考書を購入してみて、自分の英語力のなさを痛感したからです。一例をあげます。
この本の第1問が以下です。括弧の中に入る単語を4つの選択肢から選ぶ問題です。
001: Hillary’s family won millions of dollars in the lottery, but they ( ) it all on expensive homes, cars, and other luxuries. They spent almost all of the money.
1. proffered 2. beseeched 3. estranged 4. squandered
出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇[改訂版] (英検最短合格シリーズ
答えは4番の「squandered」(浪費した)です。
TOEICで960点取りましたが、「proffered」も「beseeched」も「squandered」も知りませんでした。「estranged」だけ、「strange」が含まれることからこの問題の答えではないであろう、ということくらいしか分かりません。
この参考書の第1問でこれですから、私は1級に受からないことがよくわかりました。
この「語彙問題完全制覇」の参考書では、動詞、名詞、形容詞・副詞、熟語の順で英単語が取り上げられています。
最初の「proffer」から始めて動詞、名詞、形容詞・副詞、熟語の順番で上記の参考書で取り上げられている単語・熟語を全てこのブログで網羅します。この参考書の帯に「2500語で語彙力を爆上げ!」とあるので2500語網羅します(実際は熟語と動詞で同じ単語がかぶっている場合もあるので、2500語もないとは思いますが)。長期間かかることはよくわかっておりますが、やります。
私のようにTOEIC900点以上を取ったけれど、それ以上の英語スキルを求めず、英語の学習を止めてしまった人たちが私の思い描くこのブログの読者ですが、英検1級合格を熱望している人にも、このブログが単語理解の一助となれたら幸いです。もちろん、英検2級でもTOEIC800点でも、のちの高レベルなテストに出てくる英単語を覚えておくのは無駄ではありません。
そんなブログですが、フォローしてくれたらうれしいです。よろしくお願いします。
2022年9月5日追記:
7月24日のTOEICでスコアが905点でした…。
55点落としました…。
英検1級レベルの単語を掘り下げている場合ではありません。
まず、「TOEIC L&R TEST 超上級単語特急 暗黒のフレーズ」と同じシリーズの「黒のフレーズ」で分からない単語を掘り下げていきます。
2023年2月追記:
1月29日のTOEICでは945点でした。
2023年9月追記:
9月10日のTOEICでは975点でした。嬉しい!